ハロウィーン・パーティ
1969年に発表されたクリスティの推理小説「Hallowe’en Party」の邦題、Wikipediaによれば、あらすじは「ウドリー・コモンの「リンゴの木荘」でハロウィーン・パーティの飾りつけの準備中に殺人を目撃したことがあると言い出した13歳の少女、ジョイスが翌日、パーティ用に用意された水の入ったバケツに首を押し込まれて溺死しているのが見つかった。パーティに出席していたアリアドニ・オリヴァ夫人は、ただちにエルキュール・ポアロに助けを求める。ジョイス殺しと彼女が見たという殺人の謎を解き明かすため、ポアロはウドリー・コモンに住む旧友、スペンス元警視を訪ね、捜査に乗り出す。」ドラマ版にはスペンス元警視出てきません。
またまたミセス・オリヴァが事件に遭遇します。まるで「浅見光彦」みたいですね。現在の時間でも殺人が起きますが、その原因は「回想の殺人」にありそうです。実は殺人を目撃したのはジョイスではなく友達のミランダで、その話を受け売りで話して殺されてしまいます。ジョイスちょっとウザいけどかなりかわいそうな役回り。ジョイスの友人であるミランダは、実は以前マイケルといい仲になったジュディス・バトラーとの子供ですがマイケルは保身のために実子を殺そうとしています。
言ってしまえば中年のオバさんが若い男(庭師:マイケル・ガーフィールド)に入れ込んで、金持ちの叔母(ルウェリン・スマイス)を殺す(毒殺)、叔母が全財産を家政婦(オルガ)に残す遺言情報を入手すれば本物を偽造して偽造した遺言書(内容はそのままで筆跡が違う)で家政婦を陥れ、その家政婦を殺す(刺殺)。いくら男に狂ってもここまでやるか?色男のマイケルは弁護士のところから遺言情報を漏らした男(レズリー・フェリア)を殺すし、まあこの回は人が死ぬったらありゃしないw ミス・マープルで言えば「殺人は容易だ」ぐらいの勢いです。
大きな屋敷と綺麗な庭に住む大富豪の未亡人であるウェリン・スマイスの姪であるロウィーナ・ドレイクがその中年のオバさんなんですが、中年のオバさんが若い男に入れ込むというのはミス・マープルでも「無実は苛む」でプロットされています。そんなもんなんですかね?中年のおじさんが飲み屋の若いねーちゃんに入れ込むよりタチが悪そうw
ドラマ版では自殺の人も登場して話を複雑化していますが、明確に殺人なのは時系列に行くと、自分の夫、叔母のウェリン・スマイス、家政婦のオルガ、弁護士事務所の事務員レズリー・フェリア、レイノルズ家の長女ジョイス、同じくレイノルズ家の長男レオポルドと、なんと合計で6人もの人が殺されてしまいます。ジョイスとレオポルドは兄妹なのでレイノルズ家は子供がいなくなってしまいます。それはあんまりじゃありませんかと突っ込みたくなりますね。ミセズ・レイノルズ可哀想です。
例によって最後のポアロによる謎解き会で解決を図りますが、今回は逆ギレした犯人に刺されるとか撃たれるなんてことはありませんでした。原作ではマイケルがお金目当てなのはわかっているが、それでもやめられないって感じですが、ドラマ版では「彼が愛しているのは私だけよ」と痛い中年のオバさんになっていました。