象は忘れない

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久しぶりに録画してあった「名探偵ポアロ 象は忘れない」を観ました。原作は読んだもののすっかり忘れてしまっていて、ドラマオリジナルの脚本に多少翻弄されましたが何とか最後まで観ることができましたw

事件を引っ張ってくるのは女流作家のアリアドニ・オリヴァです。自分が名付け親になったシリア・レイヴンズクロフトと婚約したデズモンドの養親であるバートンコックス夫人からある頼まれごとをするのです。原作では昼食会ですがドラマでは表彰式でした。

シリアの両親は13年前に心中自殺をしています。バートンコックス夫人が知りたいのは「夫が妻を撃ってから自分を撃ったのか、妻が夫を撃ってから自分を撃ったのか」ということだそうです。何でそんなこと知りたいんでしょうね。どっちにしても二人の血を受け継いでいるじゃ無いですか。何か他の理由がありそうです。

ミセス・オリヴァはその話をポアロにするのですが軽くあしらわれます。ちょうどその時殺人事件が起こったのです。そしてポアロは殺人現場へ行ってしまいます。殺人事件が起こったのは「ウィロビー研究所」で現所長のウィロビー博士の父親が犠牲者です。ドラマでは精神疾患治療用の水責めの拷問道具のようなバスタブで溺死していました。こういうので精神疾患が治ると思われていた時代なんですね。

最初のうちは13年前の事件とウィロビーの殺人事件は別々に進みます。ミセス・オリヴァはポアロにまともに相手をしてもらえませんが一つだけアドバイスをもらいます。それはその当時に関係のあった人から話を聞くということでした。それに対してミセス・オリヴァが言った言葉が「象は忘れない」でした。クリスティが得意の過去にあったかもしくはあったかもしれない殺人を回想しながら解決する「回想の殺人」という手法です。当時の使用人などに次々に話を聞きに行くミセス・オリヴァですがなかなか解決には向かいません。

ドラマ版では、アリステア将軍(父親)、マーガレット(母親)、ドロシア(母親の姉)、ゼリー(子供時代のシリアの家庭教師)などが回想で登場します。現代の場面ではウィロビー(医者)、ウィロビーの父親(犠牲者)、マリー(ウィロビーの秘書)、バートンコックス夫人(デズモンドの養母)、デズモンド(シリアの婚約者)などが登場します。ミセス・オリヴァが調べていくうちに、アリステア将軍とマーガレットが結婚する前に、ドロシアがアリステア将軍と付き合っていたということがわかります。でもアリステア将軍は精神的に不安定なドロシアからマーガレットに乗り換えたということも判明してしまいます。ドロシアとマーガレットが双子の姉妹だったことも後に判明するのですがかなり集中して観ていないと状況が把握できませんw

アリステア将軍と別れたドロシアも他の誰かと結婚して子供も二人産むんですが、後に生まれた男の子を溺死させるんですね。その事で精神疾患が疑われ当時のウィロビー研究所で治療を受けることになります。例の水責め装置です。そんなの受けたら返ってオカシクなると思うのですが。この辺で二つの事件が繋がります。

その治療で完治したことになったドロシアを妹夫妻が引き取るのですがこれが悲劇の始まりとなります。もともと精神的に弱かったところへ水責めの拷問を受けちゃったもんだから本当にオカシクなってしまったようでドロシアは妹のマーガレットを崖から突き落としてしまいます。ドロシアだけ家に戻ってきてマーガレットの不在に気がついたアリステア将軍と家庭教師のゼリーはマーガレットを探しに出かけ崖下で瀕死の重傷を負ったマーガレットを見つけます。ドロシアの所業を聞いたアリステアはある決断をします。その後マーガレットは絶命しますがこれを姉のドロシアの死として偽装します。

マーガレットに偽装したドロシアを散歩に連れ出したアリステアは銃を取り出してドロシアを撃ちその後自分も撃って事件に決着をつけるのです。元はと言えばドロシアを捨ててマーガレットと結婚した自分に責任があったのだと悟った上での決着でした。家庭教師のゼリーはアリステアのシナリオを承知していたのですが止めませんでした。ドラマではそのシナリオを話しているのをドロシアの娘に聞かれてしまいます。ドロシアの娘はアリステアの心中事件後、カナダへ移住させられますが、実はこの娘というのがウィロビーの秘書であるマリーでした。

マーガレットとドロシアの入れ替わりを犬が飼い主に吠えたり噛みついたりしたことや鬘が4つもあったことから見抜くのはさすがエルキュール・ポアロですw

母親からの手紙で知った治療の酷さから、ずっと復讐の機会を窺っていたことになっています。つまりウィロビーの父親を殺害したのはマリーということです。そしてマリーは母親のある意味仇であるシリアをも殺そうとしますが間一髪でポアロ達に助けてもらいます。シリアとデズモンドは真相を知り一安心です。そこへバートンコックス夫人がやってきますがデズモンドには拒絶されます。デズモンドの実母が残した遺産はバートンコックス夫人に信託されていたのですが25歳になるか結婚すると受けわたす義務があるのです。バートンコックス夫人は彼の実母の遺産を使い込んでいたのです。デズモンドに結婚されるとそれがバレてしまうので必死で結婚を阻止しようとしたという小ネタオチでしたw

タイトル画像の左端がマリーです。ウィロビーの父親を殺しているので絞首刑でしょう。右端の後ろ向きの人物がシリアです。ポアロ以外のもう一人の男性は警部さん。この年代のポアロは私立探偵としては既に忘れられた存在のようでシリアなどの若者からは胡散臭がられます。昔のポアロなら「私を知らないなんて(プンプン)」って感じでしたが、今作ではミセス・オリヴァから「私のアシスタントです」なんて言われてもにっこり笑ったりして余裕が感じられます。ポアロさんも成長したんですね。

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