土曜日恒例
ホームシアターネタでございますw
2016年3月12日は「スタイルズ荘の怪事件」放送回の都合でこんなところになっていますが、出版順で言えば、いわゆるポアロのデビュー作ってことになっています。シャーロックホームズで言えば「緋色の研究」といったところ。
後にシリーズの主要な登場人物となる、(名探偵)ポアロ、ヘイスティングス中尉(後半では大尉)、ジャップ警部補(最後は警部から警視正へ出世)が出てきます。みんな若いw
ヘイスティングスが第一次世界大戦で負傷して帰国したところから話が始まります。友人であるジョン・カベンディッシュが田舎の自宅へ療養に来いと誘ってくれるのです。その自宅というのが「スタイルズ荘」そして、ジョンの母が、ベルギーから戦災で疎開してきたポアロ達ベルギー人にも持ち家を提供しているというわけです。なぜ、ジョンがヘイスティングスを誘ったかというと、母が20歳も年下の男と再婚してしまったと。財産目当てに決まってると言うのです。画面では、20歳も年下には見えませんw
あちらの年配の女性というのは、自宅に秘書とは違う、コンパニオンという女性を雇うことが多い時代だったようで、他のエピソードや違う作者の小説でも時々耳にする言葉です。秘書を兼ねる場合もあったようですが、話し相手ってことですかね?資産家だと様々な書類の整理や、慈善活動もやっているとペーパーワークも多いでしょうから、そういう人が必要なんでしょうね。PMみたいなもんかw
割と早い時間帯にジョンの母親が毒殺されてしまい、犯人は誰だってなるわけですが、ジョンの視点で見れば、スタイルズ荘には、母とその再婚相手、ジョンの妻、ジョンの弟、シンシアという身寄りのない親戚(?)の若い女性、年配のメイド、そして友人のヘイスティングスが滞在しています。あっ、あとコンパニオン兼秘書の女性。
冒頭から、このコンパニオン、イビーというんですが、再婚相手の男(イングルソープ氏)といがみ合います。そしてジョンの母親が死んだあと、イビーがお暇を出されてしまい、帰郷。検死審問では、毒殺であることが認定されますが、被疑者不明のままです。この頃には、田舎の事件ですが、スコットランドヤード(ロンドン警視庁)からジャップ警部補とその上司が犯人を捕まえに来ています。
状況証拠はどう見てもイングルソープ氏が怪しい。毒殺に使われたのはストリキニーネという薬で、少量であれば薬として有効なのですが、大量に摂取すると死に至る劇薬。(偽の)イングルソープが薬局でストリキニーネを買ったという証言をもとに、ジャップ警部補とその上司は、スタイルズ荘にイングルソープ氏を逮捕しにくるのですが、それを間一髪で止めるポアロ。実は、イングルソープ氏が頑なに拒んでいたアリバイを調べ上げてきて、万が一逮捕してもアリバイが成立するから釈放する羽目になるとジャップ達を諌めます。それでも犯人を逮捕しなければならないスコットランドヤード、なんと長男のジョンを逮捕してしまいます。
ジョンは逮捕されたまま、裁判も始まっていますが、ポアロはジョン以外の関係者を集めます。ジョンの妻、ジョンの弟、シンシア、イビー、イングルソープ、ヘイスティングにジャップです。そこでポアロの推理の過程を辿るわけですが、後の作品に比べれば、割と平坦な説明に始終する印象です。
実は、いがみ合っていた、イビーとイングルソープがグルで、ジョンの母親が飲んでいた、ストリキニーネ入りの強壮剤へ、ストリキニーネが凝固して瓶の底に溜まる薬を添加し、最後の一口に致死量のストリキニーネが含まれていたという仕掛けです。せっかくの素晴らしい悪巧みなのですが、このイングルソープという男が書いたイビー宛のラブレター(というか、いよいよ今日死ぬぜ、って手紙)が割と偶然にポアロによって発見され、その宛先(イビー)とハンドライティングによる筆跡でジエンドって訳です。ポアロの手柄というより、今回は敵失に負うところが大きいように思いました。(このぐらいで勘弁しといてやるわって強がってる感じw)
当時のイギリスでは、殺人罪は有無を言わせず絞首刑なので、イビーとイングルソープも「Hung, until die」ってことになったんでしょう。ドラマではそこまでは再現していません。時々、ミスマープルなんかでは、死刑台まで再現することがありますが、ちょっと悪趣味?
絞首刑ついでに、ジャップ警部補役というのは、フィリップ・ジャクソンというイギリス人俳優なのですが、先週の「刑事フォイル」では、犯人役で出ておりまして、殺人を犯したのできっと絞首刑になってますw
そんなこんなで今週末も過ぎて行きました。本日、3月13日は第208回TOEICテストでして、勉強もせずに受験してきました。結果?900点どころか、800点も危ういんじゃないかとw
タイトル画像は、ドラマで「スタイルズ荘」としてロケに使われた建物です。