鳩のなかの猫
1959年に発表されたクリスティの長編「Cat Among the Pigeons」の邦題、Wikipediaによれば、あらすじは「ロンドンにある有名な女子校・メドウバンク校で、体育教師が射殺されるという殺人事件が発生する。彼女は、深夜に学校の室内競技場で殺されたのだ。この事件の数か月前、中東のラマット王国では、民主化を進めていた若き国王アリ・ユースフに対する革命が勃発。その直前、彼の親友であったボブ・ローリンスンは、危機を察したユースフの依頼を受け、数十万ポンドの価値をもつ王家の宝石を密かに国外に送り出すことに成功していた。この2つの事件が絡み合う。」とのこと。ドラマ「名探偵ポワロ」では体育教師は「槍」で殺されることに。
中東のラマット国から持ち出された「ルビー」がメドウバンク校の生徒が持っているテニスラケットの柄に隠されていた。ラケットにルビーが隠されているのを知っている犯人はメドウバンク校に潜り込んでくる。またルビーを狙って偽の王女がメドウバンク校に潜り込んでくる。小説版では事件が起きてからポアロが登場しますが、ドラマ版では校長に頼まれごとをされていて最初から登場している。
まず、なぜ女子学生のラケットにルビーが隠されていたか?ラマット国の若き国王の親友であるボブ・ローリンスンはその女子学生ジェニファー・サットクリフの叔父であり、ルビーを持ち出すために休暇でラマットを訪れていた姉家族の荷物に隠したということ。
犯人であるアン・シャプランドが何故ラケットに隠されているのを知っていたのかというと、ローリンスンがラケットに隠しているのを見ていたから。アン・シャプランドはメドウバンク校へ秘書として潜り込みます。
体育教師が殺されたのはシャプランドが深夜、体育館でルビーを探しているのを見つかったからで、その時にルビーが見つからなかったのは、ラケットの持ち主ではるジェニファーがバランスが悪いのを嫌って、友人であるジュリア・アップジョンとラケットを交換していたから。ジェニファーとジュリアはその後ルビーを見つけポアロに託しています。
シャプランドは第二次世界大戦中にイギリスの諜報員で曰く付きの曲者だったらしい。ジュリアの母親も第二次世界大戦中にイギリス諜報部で働いていてシャプランドの悪行を知っていた。この辺からだんだんご都合主義的な登場人物の役割が与えられていきますw
偽の王女はポアロが「膝の成長度合い」という斬新な方法で見破り誘拐を装って逃走しますw 校長とともに学校を発展させたパートナーが校長の後任を期待・嫉妬しておかしな行動に出たり、イギリス諜報部のイケメンの庭師が登場したり。伏線のテンコ盛りになっちゃってともすれば収集がつかなくなる可能性もありますが、いつものポアロさんの全員を集めた謎解きによって解決しちゃうわけでうが、全員を持ち物検査抜きで集めちゃうもんだから元スパイのシャプランドは小型の拳銃を持ち込んでそれによって一人亡くなってしまうわけです。できれば今後の謎解き時には金属探知機を通過するのを義務化して欲しいものです。
わざわざこのドラマネタを選んだのは、シャーロックの記事で紹介したシャーロックの相棒のワトソンの妻であるメアリー役のアマンダ・アビントンが数学教師として登場しているからですw