百万ドル債券盗難事件

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昨日のドラマ感想で、来週は「百万ドル債券消失事件」って書いたけど、本当は「百万ドル債券盗難事件」でした。昨日書いた感想は先週分なので、来週ってのは今週のことでして、昨日の分は今日書いちゃいますw

1920年代の100万ドルって今の価値にしたらいくらぐらい?って疑問があったので、ちょっと調べてみたら、大卒の初任給が50円の時代だった。今の大卒の初任給って20万円ぐらいだから、4,000倍ってことか。1ドル120円換算すると、100万ドルは1億2千万円だから、4,800億円???すげーーー計算間違ってるのかなw

イギリスの銀行が、アメリカでの事業拡大(=貸付資金が必要)に伴って、ほぼ現金として扱える自由債券(無記名で誰でも換金できる)100万ドル分をイギリス本土からアメリカへ輸送することになる。自分で運んじゃうってのが現代からするとビックリする状況ですが、当時は普通なんでしょうね。そんな専門業者がいるようにも思えないし。原作は短編集「ポアロ登場」に出てきます。読んだとは思うんだけど、すっかり忘れてて、ドラマのプロットのみで感想を書くという暴挙にw

今回も出てきますよー「ストリキニーネ」作者(クリスティ)の執念を感じますが、個人的な恨みがあるんでしょうか。

とあるイギリスの銀行の部長(General Manager)が2人出てきます。頭取は以前の事件でポアロの活躍により逮捕されています。(「消えた廃坑」の銀行?)

本来運ぶ予定の1人の部長(ショー)が、クルマに轢かれそうになったり、コーヒーに毒を盛られたりして、結局、部下に行かせることになるんだけど、そのリッジウェイ君、もう1人の部長の秘書と婚約しています。リッジウェイ君は素行が悪く、ギャンブル癖があるとか、そんなのにほぼ現金を運ばせるって、他に適任者がおるやろ、とかのツッコミは無駄です、だって彼が運ばなかったら無事に着いちゃいますからw

ショーがクルマに轢かれそうになったりしたもんだから、ポアロさんに調査依頼が来ました。でもその銀行にはセキュリティ担当のマクニールがおり、ポアロの登場を露骨に嫌がります。

コーヒーに毒を盛られたもんだから、100万ドル分の債券はリッジウェイ君が運ぶことになります。一方の毒を盛られたショー部長は自宅で(いかにも陰気なメイクと雰囲気を醸し出す)看護婦に介護されて療養中です。リッジウェイ君だけでは不安なので、もう1人の部長である、ババソアはポアロに同行を依頼します。しかし、ポアロさんは船旅がお嫌いで、ヘイスティングスが新聞で「クィーンメリー号処女航海」の記事を盛んに褒めても意に介さずおりましたが、実はこの100万ドル債券は、クィーンメリー号で運ぶんです。つまりポアロさんも乗船するってことに、ポアロさんが船旅の準備をしていると、ヘイスティングスが外出から帰ってきて、クィーンメリー乗船の件を知り、大喜び。そりゃそーだ、新聞読んで「いいなぁ」と言い、仕事で銀行へ行ってもクィーンメリーで運ぶと聞いて「いいなぁ」と言い(そこじゃないだろ!)、全くヘイスティングスのヘタレ具合は絶好調です。

今回は船酔いに万全な対策を取っていたポアロさんは全く船酔い知らず、一方のヘイスティングが、なんと船酔いになって寝込むという体たらく。それでも船酔いじゃなくて、「昨夜の牡蠣が当たったんです!」ってシェフが聞いたら怒るよw

ヘイスティングは隣の部屋の美女(ミランダ)とプールに泳ぎに行く約束だったのですが、船酔いでキャンセルする羽目に。ヘイスティングスの美人好きは今に始まった事ではないが、本当にこの人は美女に弱い。

大役を任されたはずのリッジウェイ君、部屋にいるときは鍵もかけない不用心さで、毎晩、部屋を空けてギャンブル三昧。しかも負け続けるという、もう犯人にしてくださいって行動しかしない。そんなことを繰り返しているんで、まんまと部屋を留守にした時に、自由債券の入ったトランクを開けられて、中の100万ドル分の債券を盗まれてしまう、でもまだ船は航海中なので、入港と同時に全員の荷物を調べれば見つかるはず、だったのですが、見つからず。リッジウェイ君とポアロさん一行は折り返しのクィーンメリーでイギリスへ戻ります。なのでニューヨークのシーンはゼロw

サウザンプトン港に戻ってみると、リッジウェイ君の借金取りが出口で待ち構えています。相当に負けが込んでいたので、このままでは無事にすみそうもありません。そこでポアロさん、出口の警官に向かって「100万ドル債券の犯人です」って告げ口をします。借金の取り立て人の前を警官に護送されて無事に通過しますが、そのまま留置場へ、おいおいポアロさんそれでいいんかいw

警備担当のマクニールはババソア部長を逮捕させ、一連の事件を、ババソア部長と部長秘書の婚約者でリッジウェイが仕組んだ盗難事件だと言いますが、ポアロさんの意見は違っていて、ショー部長の家にマクニールを呼びつけ、「参考になると思いますよ」なんて嘯きます。

ショー部長と看護婦がいる部屋で、多少の会話の後、看護婦に追い返されそうになる時、時計が壊れたフリをして「何時ですか?」と看護婦に聞くのですが、その動作が、ベテラン看護婦として板についた動作で、胸のポケットに差した時計を持ち上げる動作で時間を見るのですが、実は、ポアロさん、同じ質問をヘイスティングスの隣室のミランダにもしていたんですね。その時は胸ポケットの時計を持ち上げる動作をしかけて、そこに時計がないことに気づいて腕時計を見て答えますが、その時にすでにポアロさんは薄々感づいていたってことになります。ミランダ=看護婦、それを確実に確認するために、敢えて時間を聞いたということのようです。

ここで一気に畳み掛けるポアロさん、ミランダは一瞬抵抗しますが、潔く罪を認め、警察に行こうと促しますが、そこには愛するショーを守るという策略が、それもポアロさんに見破られ、ショーとミランダの計画は失敗に終わります。

消えた百万ドルの債券は、実は最初から偽物がトランクに詰められていて(ババソア部長が詰め込む時に気がつかなかったのは近眼でってことになってますがw)、船上で盗んだミランダが海へ投げ捨てたというのが真相です。ミランダが船上から投げ捨てた時に、ヘイスティングスがその音を聞いていて、後でポアロにその話をしますが、ポアロが事件を解決するヒントになっています。ヘイスティングス本人は全くそのチャンスを生かせませんでしたが。

事件は無事解決して、ババソアもリッジウェイも釈放されますが、こんなギャンブル癖が治せるのかちょっと不安です。ババソアの秘書、将来苦労するかもねw

右がショー部長、左がババソア部長です。今回は殺人はなかったので、しばらく刑務所に入るだけで済みそうです。25年の銀行勤務より刑務所の方がいいって、そんだけ職場に恨みがあるなら早く辞めればいいのにと個人的には思いました。早めに出られるといいですね。

ヘイスティングは、事件が無事に解決した後でも悩んでいます。

ヘイスティングス「美人が不美人に化けられるってことは、その逆もあるってことですよね?」
ポアロ「知恵がついてきましたね」

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